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第12回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年7月2日(火)の第12回目講義では、株式会社髙島屋洛西店店長・小山良治氏ならびに京都店営業企画担当課長・古谷野寛之氏、そして講義補助スタッフとして4月に本学から髙島屋へ就職した杉谷舞さんにお越しいただきました。日本屈指の百貨店・髙島屋が洛西地域に出店していること、それ自体が地域活性化につながっています。

 最初に小山氏の挨拶後、古谷野氏による講義が行われ、髙島屋の歴史・沿革、そしてグループ事業についてお話しくださいました。京都において1831(天保2)年に創業した当時は、古着と木綿を扱う小さな商店でしたが、時代に先駆けた前衛的な戦略を用いて徐々に企業規模を拡大していったそうです。そして現在では、蓄積された経営資源を有効活用し、食品ブランド事業、クレジットカード事業、人材派遣事業など非常に多角化に事業を行っていらっしゃいます。

 続いて、髙島屋のまちづくり事業についてお話しくださいました。代表的な事例として、日本橋本館を取り上げ、一般的には敷居が高いとされている百貨店のイメージを覆し、重要文化財に指定されている日本橋本館を改装して、人々の憩いの場とする試みが行われているとのお話でした。

 加えて、髙島屋洛西支店と洛西地域との関わりについてもお話しくださいました。髙島屋洛西支店では、地産地消の促進に向けた取り組みとして、地元特産の「大原野野菜」販売コーナーを設置しているだけではなく、農産物に対する安全・安心志向の高まりや地域の安定に向けて、積極的な取り組みも推進されています。また、地域社会との共存・活性化に向けた取り組みについてもお話しくださいました。隣接する商業施設(ラクセーヌ専門店・エミナース)や住宅供給公社、行政、NPOなどとの協業による「らくさいマルシェ(手づくり市)」や「さくら祭り」、「夏祭り」の開催などに積極的に参画されています。

 学生たちは、百貨店のイメージが強い髙島屋のような大企業においても、様々な事業展開・多角化戦略が行われていること、そして地域との連携も積極的に実施されていること等、多様な経営術について学ぶ非常に有意義な時間となりました。

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第11回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年6月25日(火)の第11回目講義では、株式会社さわらぎ代表取締役・椹木秀明氏にお越しいただきました。同社は、①婚礼や人生儀礼などのお祝い事の貸衣装業、②結婚式企画・運営、②婚活イベント・文化啓蒙・地域活性化イベント企画・運営など、幅広いプロデュ-ス・コーディネート業を営まれています。これらの事業は、京都市内の著名な神社仏閣で行われており、地域特性を活かした経営をされています。

 最初に、3代目に至るまでのご自身のキャリアについてお話しくださいました。世界的デザイナー桂由美氏のウエディングドレスメーカーで営業職に就かれ、その後はバリューマネジメント株式会社という文化財や商業施設や地域の再生を行うベンチャー企業で仕事をされていました。①仕事における信頼関係の大切さ、②何もないところから新しいものを創造する困難さ、③正しい戦略と努力が結果に結びつくこと、など仕事を通して学んだ三つの大切なことについてお話しくださいました。

 続いて、さわらぎの歴史と事業概要について説明してくださいました。祖父母がホテルと提携する衣裳店を創業し、2代目のお母様が本場のイタリアやフランスへ赴いてドレスを仕入れるなど先駆的な取り組みをされた後、結婚式等でのドレスや着物のコーディネート業にも事業展開されたそうです。そして、椹木氏が3代目となり、結婚式のプロデュース業を始められました。結婚式の貸衣装業を営むためには、その運営や企画の知識も必要であり、そういった知識の集積から生まれた多角化事業といえます。

 最後に、京都市西京区にある「大原野神社紅葉ライトアップイベント『光と水』」についてお話しくださいました。西京区の歴史的な地域資源である大原野神社をライトアップし、幻想的な空間を地域全体で楽しもうとする企画で、資金集めから参加メンバーの募集、近隣住民の方々の理解など、様々なご苦労があったとお話しくださいました。

 貸衣装業から派生したブライダル事業、それらの事業と地域資源である神社仏閣の活性化とのつながりなど、学生たちは多くのことを学んだ時間となりました。

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「学まちコラボ」で学生たちが発表しました

 2019年6月23日、京都市と大学コンソーシアム京都が実施する「学まちコラボ事業(大学地域連携創造・支援事業)」の公開プレゼンテーションが、キャンパスプラザ京都で開催されました。本学からは学生たちが、株式会社エキ・リテール・サービス阪急阪神、NPO法人らくさいライフスタイル等と連携した「阪急電鉄高架下を活用した地域活性化」の申請プレゼンテーションを行いました。

 これは阪急洛西口駅の「TauT(トート)阪急洛西口」の高架下開発にあたり、近隣住民や駅利用者のアンケート調査等をもとに、学生主体の活動やイベントを企画・実施し、洛西地域の地域活性化活動を実施するものです。外部評価員の前でのプレゼンテーションだったこともあり、学生たちは緊張しながらも、地域活性化プロジェクトの説明を丁寧に行い、好評を博していました。

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 本学では、西京区・洛西地域を中心に、大学地域連携にも積極的に取り組んでいます。

第10回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年6月18日(火)の第10回目講義では、有限会社藤原篤建築・都市設計事務所取締役・藤原篤氏にお越しいただきました。藤原氏は、工学博士の学位ならびに1級建築士の資格をお持ちであり、京都府を中心として、多様な地域の施設やまちづくりの設計・建築に携われています。また、設計関係の研究活動にも従事されており、都市イメージ論を専攻されています。

 最初に、同氏が各地で手掛けられた数々の仕事についてお話しくださいました。福井県立大学の基本設計、各種テーマパークや展望台の設計、檜を活用したバスの待合所の設計など、その幅広い活動内容に、学生たちは興味を持って聞き入っていました。

 続いて、洛西ニュータウンのまちづくりとの関わりについてお話しくださいました。洛西ニュータウンは40年ほど前に、緑の豊かさをコンセプトに建造された計画都市ですが、現在は少子高齢化などの影響により、以前ほど活気がない状況にあります。その洛西ニュータウンの景観を美しいものにするために、同氏は、①緑のガイドラインづくり、②通りの愛称づくり、③けやき百選クラブ といった取り組みを行政や地域住民に自ら提案し、尽力されてきました。さらに、再び賑わいのある文化的な街となることを目指して、マルシェの企画や運営も行われました。マルシェでは、本学の学生と連携して洛西けやき通りをタンデム自転車で走る試みも行われました。

 最後に、今後の仕事の展望として、①愛のある丘陵都市「洛西アートヒル計画」、②新交通システム「タケノコリンク」、③渋滞しない四条通案 の3点を紹介くださりました。いずれの事業も、地域社会の文化や利便性に貢献する取り組みです。

 学生たちは、専門特化された知識や技術を、企業の競争優位として活用することの有用さを学ぶ時間となりました。藤原氏の事務所は本学から徒歩圏内の京都市西京区大枝に位置しています。身近にこのような優良企業が所在していることにも驚かされたのではないでしょうか。

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コープこうべの『きょうどう』で学生の取組みが紹介されました

 生活協同組合コープこうべ広報室発行の月刊誌『きょうどう』(2019年6月4日号)において、京都経済短期大学および神戸大学の学生を中心に組織されたNPO法人「ごみじゃぱん」による、減装ショッピングに関する活動が掲載されました。詳細は以下よりご覧ください。

月刊誌『きょうどう』2019年6月4日号

第8回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年6月4日(火)の第8回目講義では、京都市を代表する農業地帯である西京区大原野地域で農家を営まれている田中クロスケ氏にお越しいただきました。大原野の野菜は、西京区における代表的な地域資源として知られています。また、平安時代あるいはそれ以前からの歴史を有した農業地帯であり、他地域では簡単に模倣できない競争優位を持っています。しかしながら、農家人口の減少やマーケティング活動の不足などの課題を抱えており、十分な経済効果を得ているとは言えない現状にあります。

 そのような中で、クロスケ氏は大原野の野菜の魅力を伝えるために、現状を打破するための多彩な試みを行われています。美味安全野菜栽培士の資格を持つ同氏は、いわゆる6次産業化に独自で取り組まれており、高付加価値の野菜を生産・加工し、多様な販売形態を展開してこられました。例えば、「クロスケ朝市」というネーミングで、街中の飲食店・レストラン・八百屋・カフェ・洛西地域の様々なマルシェ等において販売所を設置されており、これはまさに地産地消の好例と言えます。加えて、各所における販売所の設置は、高齢化に悩まされている洛西地域の憩いの場として、地域活性化の機能も果たしています。

 今回、学生たちは農業という生活の根幹に接することで、農業を活用した地域活性化の具体的な方法や可能性を学び、日常の暮らしを考え直す良い機会となりました。

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第7回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年5月28日(火)の第7回目講義では、ホテル京都エミナース総支配人・清兼拓也氏がお越しいただきました。京都エミナースは、西京区を代表する本格派のホテルとして、地域内外の多くの人たちに様々な形で活用されています。本学も毎年、卒業式後の「卒業を祝う会」の会場として、使用させていただいています。

 清兼氏は自己紹介・会社紹介の後、ホテル内に存在する多様な仕事内容について説明くださいました。宿泊機能だけを見ても、フロント、ナイトフロント、宿泊予約、客室清掃、和室布団の上げ下ろし、パブリック清掃などの多数の仕事が存在します。ホテル施設はその他にも、集宴会機能、飲食機能、温浴機能などの機能を有しており、この中にある数々の仕事も、それぞれ地域の雇用に貢献しています。多くの人々が集まるホテルには、それぞれのニーズに応じた多様な機能、仕事があることを改めて思い知らされました。
 また、京都エミナースは、地域活性化のために地域イベントや行事への協力、参画、協賛を積極的に行っています。当日は、その一例として「らくさい夜マルシェ」や「洛西グラシアル・バル」、隣接する小畑川のホタル観賞など、具体的な地域貢献活動が紹介されました。ホテル事業が有する多様な事業展開とその潜在能力、さらには様々な形での地域との関わりについて、大変驚かされました。

 本学にはホテル業界に興味関心を抱く学生が数多くいます。彼らにとっては勿論のこと、その他の学生にとっても、このような施設が地域内に存在することの有難さや、ホテル業界の魅力について学ぶ良い時間になりました。

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第6回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年5月21日(火)の第6回目講義では、有限会社鈴木モータース代表取締役・鈴木千鶴氏にお越しいただきました。鈴木モータースは、自動車の販売や各種メンテナンスを基幹事業とされています。また、本学の近隣である樫原地区において創業73年を迎えた老舗企業として、京町屋や京文化の保存や啓蒙にも取り組まれています。それらの様々な活動が京都市から評価され、2016年には京都市景観作り活動部門で優秀賞を受賞されました。
 
 講義では、地域特性を活用した経営について語られました。自動車ディーラーは、テーブル席での商談が一般的ですが、京都ならではの座敷での商談によって、地域顧客からの安心感や信頼感を得られたことがあったという実例に始まり、一見すると異端に思える方法を、地域の独自性と解釈することが経営成果をもたらし、さらには地域の活性化にもつながる事例を多数紹介されました。続いて、「地育地生(ちいくちしょう)」という言葉を用いて、地域の雇用についても言及されました。「地育地生」とは、若年層の職業意識を育てることに地域企業が積極的に関わり、彼らが地域企業の魅力を知り、就職するという雇用循環を意味します。鈴木氏は、地域の持続可能性をもたらす有効な取り組みである、と語られました。
 
 最後に、数名ごとに分かれてグループ・ディスカッションが行われました。自分たちの解決すべき問題やその解決方法を全員で討論するという方式を用いて、自分自身のアイデアを探ろうという企画です。最初は恥ずかしそうにしていた学生たちですが、次第に打ち解け、あちこちのグループで、楽しそうに議論をする姿が見受けられました。そこで生まれた数々のアイデアは、学生たちの将来に必ず役に立つことでしょう。

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第4回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年5月7日(火)の第4回目講義では、NPO法人らくさいライフスタイル代表理事・村下恒雄氏にお越しいただきました。村下氏は、京都市西京区の洛西ニュータウン・大原野地域を中心として、主体的に様々なイベントの企画・運営・コーディネート等を行い、地域活性化に尽力されている方です。
 村下氏は、これまでの多様な経験から、地域活性化は「ひとをつなぐ」ことを起点にし、そこから「こと(地域資源や地域の魅力)をつなぐ」ことによって、新たな「まちづくり」に至る、という過程を詳細に説明してくださいました。さらに、地域活性化について、自らの体験談から、頭の中で深く考えることよりも、どのような試みでも実際に活動することによって新たな知見が得られる、ということもお話しくださいました。実際のNPOの運営についても言及してくださり、非営利組織論の講義としても学生たちは非常に有意義な時間を過ごしたようです。
 
 講義終了後、村下氏の活動に強い関心を抱いた学生たちが、熱心にお話を伺う姿が見受けられました。本学は、地域連携にも積極的に取り組んでおりますが、今回を機にますます連携が深まることが期待されます。

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第3回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年4月23日(火)の第3回目講義では、阪急電鉄株式会社 都市交通事業部課長補佐・永田賢司氏にお越しいただきました。阪急電鉄は、近畿圏の交通インフラとして多くの人々の生活を支える企業であり、本学の学生も通学や日常生活において、大いに活用させていただいております。

 永田氏は、「えきまち事業」や「TauT(トート)阪急洛西口の開発」などの、近年の施策についてお話しくださいました。「えきまち事業」とは、阪急梅田駅等の大型駅に多種多様な店舗を誘致し、駅中サービスを充実させ、駅自体の魅力や価値を高めようとする事業のことです。また、「TauT阪急洛西口の開発」とは、駅を起点に街の魅力向上につなげることを目的とし、「洛西口駅~桂駅間」の高架下を有効活用し、人々の交流・憩いの場や魅力ある商業施設を提供する事業のことです。従来の高架下のイメージを覆し、地域の活性化に貢献しようとする極めて斬新な試みであり、現在、洛西地域を中心に多くの人々が関心を寄せています。

 学生たちは、鉄道事業が有する潜在的な事業展開や開発能力、さらには地域との有機的なかかわりについて、多くのことを学んだようです。

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