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第6回「地域企業論」を開講しました

 2019年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2019年5月21日(火)の第6回目講義では、有限会社鈴木モータース代表取締役・鈴木千鶴氏にお越しいただきました。鈴木モータースは、自動車の販売や各種メンテナンスを基幹事業とされています。また、本学の近隣である樫原地区において創業73年を迎えた老舗企業として、京町屋や京文化の保存や啓蒙にも取り組まれています。それらの様々な活動が京都市から評価され、2016年には京都市景観作り活動部門で優秀賞を受賞されました。
 
 講義では、地域特性を活用した経営について語られました。自動車ディーラーは、テーブル席での商談が一般的ですが、京都ならではの座敷での商談によって、地域顧客からの安心感や信頼感を得られたことがあったという実例に始まり、一見すると異端に思える方法を、地域の独自性と解釈することが経営成果をもたらし、さらには地域の活性化にもつながる事例を多数紹介されました。続いて、「地育地生(ちいくちしょう)」という言葉を用いて、地域の雇用についても言及されました。「地育地生」とは、若年層の職業意識を育てることに地域企業が積極的に関わり、彼らが地域企業の魅力を知り、就職するという雇用循環を意味します。鈴木氏は、地域の持続可能性をもたらす有効な取り組みである、と語られました。
 
 最後に、数名ごとに分かれてグループ・ディスカッションが行われました。自分たちの解決すべき問題やその解決方法を全員で討論するという方式を用いて、自分自身のアイデアを探ろうという企画です。最初は恥ずかしそうにしていた学生たちですが、次第に打ち解け、あちこちのグループで、楽しそうに議論をする姿が見受けられました。そこで生まれた数々のアイデアは、学生たちの将来に必ず役に立つことでしょう。

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