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第13回「地域企業論」を開講しました

 2020年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2020年7月21日(火)の「地域企業論」では、ゲスト講師として有限会社藤原篤建築・都市設計事務所取締役・藤原篤氏がお越しくださいました。藤原氏は、工学博士の学位ならびに1級建築士の資格をお持ちであり、京都府を中心に多様な地域の著名な施設やまちづくりの設計・建築に携わっておられます。また、設計関係の研究活動にも従事されており、都市イメージ論を専攻されています。

 最初に、各地で手掛けられた数々の仕事についてお話しくださいました。福井県立大学の基本設計のほか、太陽光住宅や各種テーマパーク、展望台や野洲川ダムの管理所、檜を活用したバスの待合所など、実例をあげるときりがないほどの設計数になり、スケールの大きな施設から身近なものづくりまで幅広い活動をなさっています。

 続いて、洛西ニュータウンのまちづくりとの関わりについてお話しくださいました。洛西ニュータウンは40年ほど前に、緑の豊かさをコンセプトに建造された計画都市です。現在は、少子高齢化などの影響により、活気がある街とは言えない状況にあるニュータウンの景観を美しいものにするために、①緑のガイドラインづくり、②通りの愛称づくり、③けやき百選クラブの取組づくり、などを行政や地域住民に自らご提案なされて尽力されてきました。さらに、賑わいのある文化的な街にするために、マルシェの企画、運営も行われました。マルシェでは本学の学生と連携し、洛西けやき通りをタンデム自転車で走る試みも行われました。

 最後に、今後の仕事の展望として、①愛のある丘陵都市「洛西アートヒル計画」、②新交通システム「タケノコリンク」、③渋滞しない四条通案の3点を紹介くださりました。いずれの事業も、地域社会の文化や利便性に貢献する取り組みです。

 学生たちは、専門特化された知識や技術を、企業の競争優位として活用することの有用さを学ぶことができました。藤原氏の事務所は本学から徒歩圏内の距離である京都市西京区大枝に位置しています。このような優良企業が身近に所在していることにも驚かされたのではないでしょうか。

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