INFORMATION

第10回「地域企業論」を開講しました

 2020年度前期科目として開講している「地域企業論」では、地域における中小企業のアイデンティティを認識するという趣旨のもと、主に西京区内でご活躍されている事業主様等を毎回ゲスト講師としてお招きし、事業内容や地域との関わりについてお話しいただいています。

 2020年6月30日(火)の「地域企業論」では、株式会社さわらぎ代表取締役・椹木秀明氏がお越しくださいました。同社は、①婚礼や人生儀礼などのお祝い事の貸衣装業、②結婚式企画・運営、②婚活イベント・文化啓蒙・地域活性化イベント企画・運営など、幅広いプロデュ-ス・コーディネート業を営まれております。これらの事業において、京都市内の著名な神社仏閣という場を用いており、地域特性を活かした経営を行われています。

 椹木氏はまず、さわらぎの3代目に至るまでのご自身のキャリアについてお話しくださいました。最初に、世界的なデザイナーである桂由美氏のウエディングドレスメーカーで営業職に就かれ、その後は、バリューマネジメントという文化を紡ぐことをコンセプトに文化財・商業施設・地域の再生を行うベンチャー企業で仕事をされました。これらの経験から、①営業における信頼関係の大切さ、②何もないところから新しいものを創造する困難さ、③正しい戦略と努力が結果に結びつくことを学ばれました。

 続いて、さわらぎの歴史と事業概要について説明してくださいました。祖父母が運営していたホテルの提携衣裳店から始まり、2代目となったお母様は「花嫁を綺麗にしてあげたい」という想いから、ドレスの本場イタリアやフランスに赴き、直接デザイナーと打ち合わせをして仕入れるなどを先駆けて取り組まれていたそうです。その後、結婚式等でのドレスや着物のコーディネート業にも事業を展開され、椹木氏が事業承継し3代目に就任した後は結婚式のプロデュース業を始められました。結婚式の貸衣装業を営むためには、その運営や企画の知識も必要であり、そういった知識の集積から生まれた多角化事業といえます。

 最後に、西京区との関わりである「大原野神社紅葉ライトアップイベント『光と水』」についてお話しくださいました。西京区の歴史的な地域資源である大原野神社をライトアップして幻想的な空間を楽しむ企画で、実施にあたっては、資金集め、参加メンバーの募集、近隣住民の方々の理解など様々なご苦労があったそうです。一昨年度に始まった企画ですが、今後もさらに良いものを目指していきたいというお話でした。

 貸衣装業から派生したブライダル事業、さらにはそれらの事業と地域資源である神社仏閣の活性化とのつながりなど、学生たちは非常に多くのことを得た時間となりました。

DSCN0047DSCN0052